MCT(Medium Chain Triglyceride)とは、ココナッツオイルやパーム核オイルなどに含まれる「中鎖脂肪酸」のことです。
そして、MCTオイルとはMCT100%のオイルのこと。
消化吸収が早く蓄積しにくいことから、健康や美容の分野で幅広く活用されています。
MCTオイルは、飲み物に混ぜたり食品にかけたりさまざま方法で手軽に摂取できますが、使う際にはリスクも知っておかなければなりません。
では、どのような点に注意しなければならないのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
MCTオイルに反作用はある?
MCTオイルは「オイル」なので、過剰に摂取すると不快感を覚えたり太ったりするおそれがあります。
また、MCTオイルならではの反作用が生じる可能性もあります。
不快感を覚える
MCTオイルに限らず、オイルを一度にたくさん摂り過ぎると不快感を覚えることがあります。
場合によっては、体調が整わなくなってしまうことも。
初めてMCTオイルを利用する場合は少量からスタートし、様子を見ながら摂取量をコントロールするようにしましょう。
太る
MCTオイルは消化吸収が早く体に蓄積しにくいとされていますが、カロリーは1gあたり9kcal。
他の油と変わりません。
そのため、いつもの食事を変えないままMCTオイルをプラスすると、カロリーオーバーで太ってしまうおそれがあります。
ダイエット目的でMCTオイルを取り入れる場合は、他の油分を控えるなどしてカロリーコントロールすることをおすすめします。
ケトン体が増えすぎる
MCTには、ケトン体の生成を促す作用があることが知られています。
ケトン体は脂肪の燃焼にともない生成され、糖に代わるエネルギー源でもあります。
しかし、ケトン体が急増するとエネルギーとして消費されず、体内に蓄積されてしまいます。
ひどい場合は意識を失うこともあります。
糖質の摂取を厳しく制限している方は、特に注意が必要です。
MCTオイルは反作用以外に危険性はある?
MCTオイルの反作用は、摂取量に注意すれば避けられる場合がほとんどです。
しかし、反作用以外にも気を付けなければならない点がいくつかあります。
加熱調理で発火のおそれ
MCTオイルは沸点が低いため、高温で加熱すると煙が出たり発火したりするおそれがあります。
MCTオイルは味やニオイにクセがないため、飲み物に混ぜたり食べ物に直接かけたりして摂取することをおすすめします。
酸化が進むと発がん性物質に変化
MCTオイルは、酸化が進むと「過酸化脂質」と呼ばれる物質へと変化し、体に悪影響をおよぼす可能性があります。
しかし、開封後は冷蔵庫で保存し、加熱調理を避けるなど使用上の注意を守れば、酸化によるリスクはほとんど生じません。
粗悪なオイルによる体調悪化
粗悪なMCTオイルを使用すると、不純物で体調が悪くなるおそれがあります。
MCTオイルに限らず、口に入れるもの・肌に直接使用するものなどは信頼できるメーカーから購入するのが無難です。
病気への悪影響
病気の治療をしている方は、MCTオイルの摂取が予想外の影響を与えるかもしれません。
MCTオイルを取り入れたい場合はあらかじめ主治医と相談して、使用の可否を確認してください。
MCTオイルを安全に使うためのポイント
それでは、MCTオイルを利用する際のポイントをまとめてみましょう。
- 少量からスタートする
- 一度に大量摂取しない
- 体調に合わせて摂取量を調節する
- カロリーオーバーに注意する
- 加熱しない
- メーカー推奨の貯蔵方法を守る
- 信頼できるメーカーから購入する
- 病気治療中の場合は主治医の指示に従う
MCTオイルによる不快感を避けるためには、1~3つ目のポイントを守ることが大切です。
調子が整わない場合は1回に摂取する量や摂取回数を減らし、様子を見ながら取り入れるようにしましょう。
また、ダイエットにMCTオイルを利用する場合は、カロリーオーバーにも要注意。
過剰摂取で太ってしまわないように、他の油脂の摂取量を控えることをおすすめします。
さらに、MCTオイルは調理方法にも気を付けなければなりません。
加熱調理には向かないため、ドレッシングに混ぜたりコーヒーやスムージーなどに混ぜたりして上手に取り入れましょう。
そして、酸化を防ぐために貯蔵方法を守ること。
粗悪な商品による健康被害を防ぐために、信頼できるメーカーから購入することも大切です。
なお、病気の治療をしている方や服用中の薬がある方は、MCTオイルの使用前に主治医と相談しておきましょう。
MCTオイルの特徴を理解して反作用を避けましょう
消化吸収が早く蓄積しにくいMCTオイルは、健康や美容に良い影響を与えるとされています。
もっとも、オイルであるがゆえに避けられない反作用があることも事実。
あつかい方を間違えたり粗悪な商品を選んだりすると、健康に対するリスクが生じるおそれもあります。
しかし、MCTオイルの反作用や健康に対するリスクは、注意すれば避けられるものがほとんどです。
メリットだけではなくデメリットにも目を向け、上手にMCTオイルを健康に役立てましょう。
なお、無味無臭のMCTオイルは、リフレッシュ作用などが期待されるCBD(Cannabidiol)製品のキャリアオイルとしてもよく用いられています。
この機会にCBD入りのMCTオイルを生活に取り入れ、より健康的な生活を手に入れてみてはどうでしょうか。