睡眠時間が少ないと言われている日本。
2021年の調査では平均睡眠時間7.3時間と、38ヶ国の先進国が加盟する国際機関OECD(経済協力開発機構)の中で最下位という結果でした。
さらに厚生労働省が2020年に公表したデータでも、20代以上で6時間未満の睡眠は39%でした。
睡眠時間が大事であることは誰もが知っていることですが、今すぐに睡眠時間を確保できるかと言えば、難しい事情があったりもしますよね。
例えば、仕事が忙しくて睡眠時間を削っている、子育て中でまとまった睡眠時間を確保できない。
または、学業や資格取得のため睡眠時間を削って勉強している。
1日は24時間と限りがあるため、どんなに頑張っても自分一人ではどうしようもできない問題があるのも事実です。
そこでこの記事では、睡眠時間を確保するのが難しい方のために、”睡眠の質”を高める、心地よい眠りについて解説します。
心地よい眠りへと導くおすすめのグッズも紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
心地よい眠りの重要性
睡眠は時間も大事ですが、”質”も重要になります。
どんなに長時間睡眠をとっても、何度も目が覚めたり、目覚めが悪かったり、疲労が取れていなければ意味がありませんよね。
短時間でも眠りの質が良ければ、途中で目覚めることもなく、寝起きもスッキリ、疲労も取れたと実感することが可能です。
もちろん、質と時間の両方を得ることができればいいのですが、前述したように睡眠時間は今すぐ改善できないケースが多々あるので、まずは質から改善することをおすすめします。
睡眠の質は主観的なもの
では、睡眠の質とはどのようなものか?
厚生労働省の睡眠指針にはこのようにあります。
睡眠の質を評価する指標としては、睡眠脳波により把握した総睡眠時間や睡眠段階出現率などの客観的指標が存在するものの、客観的指標と比べて、睡眠の満足度や主観的な睡眠時間、特に睡眠による休養感といった主観的指標の方が、こころの健康とより強く関連することが示されている。
つまり睡眠の質とは、「自分の睡眠状態を自分で振り返り、自己診断した主観的な評価である」ということで、一言で表現するなら「心地よい眠り」ということかと思います。
もちろん、今後研究が進み、睡眠の謎が解明されることで、客観的、絶対的な尺度で睡眠の質を評価する時代が来るかもしれませんが、現状は主観的な評価となります。
心地よい眠りの4つのメリット
次に、心地よい眠りのメリットを簡単に紹介します。
以下で紹介する効果は、公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」でも確認することができます。
- 生活のリズムが整う
- 体内のホルモンのバランスが保たれやすくなる
- 生活習慣病の予防
- 抑うつや不安などのこころの不健康も予防
睡眠時間では、寝すぎによる弊害があったりしますが、心地よい眠りではそのようなことはなく、メリットしかありません。
ゆくゆくは睡眠時間の確保も目指したいところですが、まずは睡眠の質、心地よい眠りからはじめてみることをおすすめします。
心地よい眠りへと導くおすすめグッズ9選
心地よい眠りを得るためにはどうすればよいか?
具体的な実践方法が公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」で紹介されており、以下の内容になります。
- 規則正しい生活
- 運動習慣を持つ
- 寝る2~3時間前の入浴
- 朝、起床後に日光を浴びる
- 食生活
- 昼寝を有効に利用する
- 室内環境を整える
- よく眠れる寝具を選ぶ
確かに、これら全てを実践できれば心地よい眠りが得られそうですが、今すぐ実践できる方は限られると思いますし、これを継続できる人はもっと限られますよね。
そこでおすすめしたいのが、心地よい眠りへと導く9のグッズです。
ネットなどを利用すれば比較的簡単に入手できるものばかりですので、ぜひ試していただければと思います。
枕
安眠枕・快眠枕と呼ばれることもあり、快適な寝姿勢を保ち、心地よい眠りをうながす工夫がほどこされている枕になります。
高さや素材による硬さの違いがあり、自分に合った商品を見つけるのは少し大変かもしれませんが、そのかわり一度見つけると手放せなくなります。
抱き枕
抱き枕には横向き寝で生じる肩や腰の負担を軽減し、寝姿勢を安定させる効果があるといわれています。
また、姿勢が安定することで身体はよりリラックスした状態になり、抱き枕の心地よい感触によって心も癒され、心地よい眠りをうながす工夫が施されています。
アイマスク
アイマスクは疲れ目やドライアイなどの症状軽減だけではなく、安眠にも効果的といわれています。
使い捨てタイプから繰り返し使えるタイプまで種類が豊富で、使い捨てタイプは値段の安い商品が多いのでお試しには最適です。
耳栓
睡眠時に耳栓を使うメリットは、騒音を軽減できるという点です。
住宅事情やパートナーのいびきなど、自分では変えられない音に悩まされている場合は耳栓がおすすめです。
スピーカー
耳栓とは逆に、音で心地よい眠りをサポートします。
自分の好きな音楽や、ヒーリングミュージックなどでも構いませんし、ホワイトノイズを使う方法もあります。
ホワイトノイズとは全帯域の周波数が混ざった音で、波や雨の音、鳥のさえずり、木が風で揺れる音などさまざまあります。
フットバス
自宅でできる足湯、フットバスになります。
足を温めると血液循環がよくなり、結果として体が温まります。
寝る前に使用することで心地よい眠りにも期待ができます。
入浴剤
入浴剤は種類が豊富にありますが、疲れを取り、よく眠れるようにしたい場合は炭酸ガス系の入浴剤がおすすめです。
お湯に溶けた炭酸ガスは、皮膚から吸収されて血管を広げる効果があります。
血行が良くなることで疲れを和らげ、心地よい眠りにも期待ができます。
アロマ
副交感神経を優位にし、睡眠モードにしてくれるものには、音楽を聴いたり絵画を見たりとさまざまな手段がありますが、香りを嗅ぐのもそのひとつです。
アロマオイルには香りによってさまざまな効果があり、睡眠時におすすめなのは、「鎮静」「リフレッシュ」「バランス調整」といった働きが期待できるものです。
具体的には、
- ラベンダー(真正ラベンダー)
- スイートマジョラム
- ローズゼラニウム
- ベルガモットクロモジ
- ヒノキ
- スギ
などです。
CBDオイル
「CBD」とは、大麻草に含まれる100種類以上の生理活性物質の一つ「カンナビジオール(CannaBiDiol)」のことで、CBDオイルはCBDにココナッツオイルやヘンプシードオイルなど植物オイルをあわせたものです。
CBDには心身の健康を保つサポートをする作用があるとされています。
リフレッシュ作用から、良い眠りをサポートする効果にも期待がされています。
CBDオイルに関してはこちらの記事で詳しく解説しております。
-
CBDとは?CBDオイルの効果・効能と使い方をわかりやすく解説
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心地よい眠りで睡眠の質を高める
心地よい眠りの重要性と、心地よい眠りへと導くおすすめグッズを紹介しました。
睡眠時間と睡眠の質、どちらも向上できればいいのですが、今すぐ睡眠時間の確保をするのは難しいと思いますので、まずは心地よい眠りで睡眠の質を高めることをおすすめします。
とくにグッズは今すぐ試せるものばかりなので、ぜひご活用ください。
ちなみに、眠り過ぎも良くないと言われており、成人の睡眠時間は6時間以上8時間未満ぐらいが適正で、それより短くても、長くても良くないとされています。
ベッドや布団の中で長時間を過ごすことで、不眠につながる可能性があるからだそうです。
心地よい眠りで睡眠時間はほどほどに、そのような睡眠が最も理想的なのかもしれませんね。